小学校の思い出

こはなからバトンが来ましたけど、17歳バトンとかなりダブりそうですね~。
代わりに、バトンきっかけで思い出した、”重い出話”を書くことにします。
あまり気持ちのいい話ではないので、鬱中の方は読まないでねw

最近、生まれ育った家の近所を、○○年ぶりに歩きました。
同じブロックに、真新しくおしゃれな家と、戦前から残る薄汚れて崩れそうな長屋が混在しています。
いびつに歪んだ光景でした。
まるで、場所によって時間の流れ方が違うんじゃないか、と思えるほどです。
子供の頃、近所の悪ガキと駆け回った長屋の狭い路地が、実は大人がすれ違えないほど狭いものだったんだと知りました。
小学校も行ってみました。
こちらの方は、卒業した頃とさほど変わっていません。
外側を一周した時、たまたま最後になった角に、プールがありました。
実はこのプールに、忘れられない思い出があります。

5年生の夏休みのことです。
その頃プール登校日と言って、夏休みの何日か、登校してプールで遊ばせてくれる日、というのがありました。
あるプール登校日のことです。
更衣室で着替えてプールサイドに出て行くと、先生たちの様子がいつもと少し違っていました。
よく見ると、隅に固まってひそひそ話をしているクラスメイトもいます。
その内先生が前に出てきて、みんなをプールサイドに整列させました。
そして、同級生が死んだことを簡単に伝え、みんなに黙祷をするように言ったのです。
朝から暑い日でした。

亡くなった同級生は、その春もぐの知らない街から転校してきて、もぐの新しいクラスメートになった女の子でした。
自分からはしゃいだり、騒いだりすることのない、大人しい子でした。
とても頭がよく、スポーツも得意で、成績は抜群でした。
加えて綺麗な顔立ちで、ぽてっとした唇と、くりっとした目が、少し鼻にかかって大人びた声や落ち着いた物腰とアンバランスで、とても気になる存在だったんです。
でも一学期4ヶ月の短い期間、座席も遠く家の方角も違い、あまりお話する機会はありませんでした。
よく覚えていませんが、夏休みの間、彼女と仲良くなる方法とか、考えていたかも知れません。
淡い恋心はありました。
今から思えば、彼女には、他のクラスメートにはない、そして世の中の大半の小学5年生にはない、影が見えていたんだろうと思います。

彼女と同じ日に、彼女の弟、父親、母親もこの世を去っていました。
一家無理心中でした。
引越してきて間もない一家には、近所付き合いはなかったでしょう。
発見されたのは、その運命の日から10日以上経った後だったのです。
寝ている間に親に首を絞められた彼女は、同じように何も知らないうちに死んでいった弟と並んで、真夏の10日の内に、誰にも知られることなく布団の中に溶けていきました。
プールに来ていたクラスメートの何人かは、その事実を知っていたようでした。
朝刊を読んだ親から話を聞いていたんだと思います。
一人のクラスメイトが、ニヤニヤ笑いながらもぐに言った一言が、未だに忘れられません。
「10日も死体放っておいたら顔なんて区別つかないよな。
 どうやってどっちが女の子だ、って分かったんだろねぇ~w」
怒りは感じませんでした。
何やらどうしようもない虚脱感で、「やめろよ」の一言すら、言えなかったことを覚えています。

彼女の親たちは、恐らく何かから逃げてきて、それでも逃げ切れずに4ヶ月で逃げるのを止めたのでしょう。
事情は今でも分かりません。
彼女の持っていた影は、それを語っていたんだと思います。
犠牲になるのは、いつも子供です。
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by mogran_ragnarok | 2006-01-12 19:40 | 思い
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